仏の国のこちら側

フランスから、30歳2児のママが大学へ行くまでの記録。

実は難しくないフランス語〈発音〉

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フランス語が難しくない!?
な、なんだって!?!?

 


いや...ごめんなさい。少々、言い過ぎました。
フランス語は難しいんです。やっぱり。
でもね、そこまでは難しい言語なわけではないんですよ!

 

というのも、世間でウワサされるフランス語の難しさの大半が始めたばかりの人は無視して良いようなことなんです。
その誤解のせいでフランス語に興味がある人を遠ざけたり、初級者の最初の成長を遅らせたりしているんじゃないかなぁと個人的に感じていたのでした。

 

 

世間で言われるフランス語の難しさとは?

調べてみると出てくるのが、「発音が日本人には難し過ぎる」「動詞の活用が覚えきれない」「時制がありすぎ」「名詞の性って何なの」などなど。
だいたいこんなところでしょうか?
3年半前、フランス語を始めた私が繰り返し日本の友達に愚痴っていたことでもあります。


でもこれ、本当なの???
ひとつずつ見ていきましょう!

 


フランス語の発音


フランス語学習者がまずつまずくところ。それは発音。これは間違いないです。
どんなに単語を記憶していても、発音できずに伝わらないと、かなりストレスです。

 

r の発音がかなり特殊なのは有名ですね。喉をガッと鳴らすような音。
確かに最初は苦戦しますし、いつまで経っても正しく出せないという人も多いです。
でもねこれ。このr。あまりに特殊なので他の音と混同することはないんですよ。

何年もフランスに住んでいながら、r をスペイン語のように巻き舌で発音する外国人を何人も知っています。
それ以外の部分をきちんと話していれば、「なまってるよね。あの人」と思われるくらいです。
感覚をつかむのに時間は必要だけど、すごく難しいかというとそういうわけでもないのがr。
そしてどうにか誤魔化せもするし...心配はいらいないよ!ってこと。

私は最初、毎回r を発音する時は、喉にツバを溜めてそれをうがいする要領で音を出していました。
(字で書くと汚いんだけどね。笑 よく言われているテクニックです)

 

ウっぽい音

日本人の耳には“ウ”っぽく聞こえる音が、たくさんあります。

そもそも、日本語の母音は5つですよね?
ア、イ、ウ、エ、オ の5つ。
フランス語の発音としての母音は、10個以上。
(数え方によるらしいのでどこの情報でも約何個という書き方でした)
そりゃ、苦戦もするわけよ。


まずは、e とu。
この2つは決してとても似ている音なわけではありませんが、たぶん最初にぶつかる“ウ”の壁だと思うんです。
フランス語を始めて、一番始めにアルファベットの読み方を学びますね。
英語のアルファベットとは、そりゃまぁ全然違うわけです。
何か違うようにも聞こえるのだけど...口にしようとするとなかなか違いを出せない。
e が日本人には難しいので、どうしてもu っぽい音に聞こえてしまうんですね。

私の名字にはe が入っているのですが、予約でスペルを尋ねられた時、e の部分で相手の反応が怪しくなります。
あれ、どっちの“ウ”だこれ?ってな顔になります。
3年以上経っているのに未だにです!!
(かなり気をつけて言っているのに、く、くやしい...)

そして、アルファベットから一歩進むと、
「2つの母音が並んでいながら発音の上では一つの母音になる」なんてものが現れます。
これまた、“ウ”っぽい音のオンパレード。

ou、ue、œ、eu、œu。
どれもウだか、オだか、エだか、その中間なんだか。の音に聞こえます。

 

はっきり言いますよ。初級のあなた!
これらの使い分け、最初は忘れて下さい!!


他にやることがたくさんあります。
母国語に存在しない音は、そもそも自然には聞き取れません。
時間が経って脳みそに新しい音が書き込まれるまで、無理に聞き分けようとしても混乱するだけです。
口や舌の動かし方をきちんと学んで訓練するのは半年くらい経ってからがいいんじゃないかしら。
もう、思い切って、使い分けのコツとかも読まないくらいがオススメです。

私は正直言って、“ウ”の発音...超自信ないです。
きちんと言える単語もあるのですが、出来てないのも未だ多いです。
初めて聞いた言葉の場合、どのウだったのか推測することはほぼ出来ません!ははは
3年半経ってもこんなもんです。


ただやっかいなのが、間違いを指摘したがるフランス人に出会ってしまうこと。
「そのウはね、そうじゃないよ。こっちのウだよ」なんて言って、長々と指導してくれる人がちょこちょこいます。
本当、ありがた迷惑ってやつね。

私の場合はそれが夫でした。笑
人にものを教えるのが下手なんでしょう。
しつこく訂正されすぎて、しばらくフランス語を話すのが嫌になりましたもん。
彼の言い分では、だってこれじゃ意味が伝わらないから。でした。

確かにそれはその通り。
忘れて下さい。と言ったのは初級者に対してであって、少しずつ真剣にとり組むべきことです。
rのように誤魔化せる音ではありません。なんせ誤解が生じますからね。
でも、それはいずれ。
それよりも、相手が「は?」となった時に、それを説明出来る語彙を増やした方がいいと思います。
類語を知っておくとか、それが例えば動物なら、動物という単語を知っておくとか。
そっちに時間をさいた方がいいと思うんですよね。

え!?全然、違いが聞き取れるし!っていう人は、すぐにでも口の動かし方をきちんと勉強してもいいですよ。


それから、“エ”に聞こえるのだけど実は微妙に違う音達。
“オン”だか“アン”だか中間の音達。なんかもあります。

もちろんこれらも...最初は放っておくのです!!
(ちなみにこの“エ”の音達、“オン”の音達は“ウ”っぽい音達よりも誤解が生じないので、かなーり先まで放っておかれることになります 笑)

 

フランス語の発音。
ほらそうすると、まずはr を頑張ればいいのです。
急にハードルが下がったでしょう?

 

 

この調子でどんどんいきましょう。
フランス語はそんなに難しくないんです!
次回は、動詞の活用、時制についてのお話です。